マルチメディア通信社会

-ゼロ距離社会の出現-


目次


人間はマルチメディアな生き物

成熟した通信技術

人と地球に優しいマルチメディア通信

10年後、マルチメディアは?

そして「ゼロ距離社会」へ

人間はマルチメディアな生き物

人間のコミュニケーションは、声だけでなく表情・身ぶりなどをも用いた複数の情報伝達手段(マルチメディア)を用いています。本来は、対面して会話するのが自然であるため、電話でのコミュニケーションではどうしても不自然不自由さが残り、「やはりお会いしてお話ししましょう」ということになってしまいます。電話やFAXが普及した今日、私たちはこれらのメディアなくしては生活できませんが、まだ対面にまさるものはありません。

 しかし、私たちは対面するためには、移動を余儀なくされます。移動のために費やす時間と費用は馬鹿になりません。物流による交通量の増大はいたし方ないとしても、人間の移動による交通量の増大も少なくありません。

 このジレンマを取り去ってくれるのが、「マルチメディア通信」です。


成熟した通信技術

 近年、「マルチメディア」という言葉を煩雑に耳にします。アメリカのゴア副大統領を中心として提唱された「スーパーハイウェイ構想」が明らかにされて以来、日本でも光ファイバーを用いた通信のデジタル化の要求が表面化しています。電気通信審議会通信改革部会の「情報通信基盤の在り方」についての答申では、2010年までに全国的な光ファイバー網の整備を勧告しています。

 マルチメディアとは何か。人により受け取り方は様々でしょうが、私は、マルチメディアと通信のデジタル化は表裏一体のものであると考えます。両者によるマルチメディア通信社会の実現はそれほど遠い未来ではありません。マルチメディアとデジタル通信を支える技術は十分に成熟しており、ニーズがあればすくに実現できるマルチメディア通信サービスはいろいろと考えられます。


人と地球に優しいマルチメディア通信

 日本の人口は2010年にピークに達すると考えられ、また、その時には確実に高齢化社会に突入します。その結果、在宅医療や遠隔医療は必須なものとなっているでしょう。光ファイバーを用いたマルチメディア通信社会では、質の高い通信サービスが可能となり、真の情報社会が生まれるものと考えます。

 そこでは、遠くに離れた人と自由にマルチメディア通信ができるため、遠くに離れた人とも対面による会話と同じ環境を共有することができます。在宅医療、社会人在宅教育、電子図書館、疑似体験旅行など生活の質を向上させる様々なサービスが可能です。

 在宅勤務も普通になり、移動のための時間やエネルギーを節約できるため、余暇時間の増大、交通渋滞の緩和、環境破壊の防止・抑制など多くの効果をもたらします。


10年後、マルチメディアは?

 マルチメディア通信が本当に社会に受け入れられるだろうかという議論があります。しかし、これが本格化するのは10年近く先のことであり、その時にはファミコン世代が労働人口の大半を占めているでしょう。したがって、マルチメディア通信に対する親和性は高くなっていると考えます。

 マルチメディア通信を積極的に利用する人々はますます活動の幅を広げ、時間と場所を超越して大きく活躍することができるでしょう。そして、利用する人と利用しない人との情報格差や労働条件、そればかりでなく活動の幅や生活の質に大きな差が出てくることでしょう。

 一方パソコンも、テレビ・ビデオ・FAX・電話の機能と一体化し、老若男女に使いやすい「情報家電」となっていることでしょう。


そして「ゼロ距離社会」へ

 遠くに離れた人とのマルチメディア通信が対面と同じ効果をもたらすならば、人間はもはや距離を感じなくなり、距離を超越した社会を構築できます。

 私はこれを「ゼロ距離社会」と名付けています。

 距離を超越する事により、人間はこれまでにない大きな自由を得ることになるでしょう。人間の生活がより豊かで潤いのあるものになるでしょう。「ゼロ距離社会」を実現するマルチメディア通信の時代にこれから突入していくのです。